ごく普通の家庭
家の扉を開け、制服姿の女性が玄関で靴を脱ぐ
「こら、智子、何時だと思っているんだ?」
廊下を歩く女性に、初老の男が そう声を掛けます。
「・・・・・」
女性は無言のまま 家の階段を駆け上がります。
「こら、待ちなさい!」
初老の男は、少し興奮気味にそう言うと、女性の後を追って その階段を登る
自室の扉のドアノブに手を掛ける女性の手を、後から来た初老の男性が片手で掴み取る
「待ちなさいと言ってるだろう」
初老の男性は、女性の顔を見詰めながらそう問い掛ける。
「なによ?」
「『なによ』とは何だ。今、何時だと思ってるんだ。」
尋ね返す女性に向って、男は続けてそう問い掛けます。
「別に何時だっていいでしょ!お父さんが恥をかくようなことなんてしないから!」
「そういう事を言ってるんじゃないだろう。お前のことを心配して・・・」
「何が心配よ!お父さんが心配してるのは、いつだって自分のことだけでしょ!
だから、あなたが恥をかいたり迷惑になるようなことは起しませんよ!」
父親の発言に向って、その女性は、そう強く言い返します。
「なんだとー!!ちょっと来い!」
「きゃっ、何よッ・・・」
父親は、そう強く言い放つと、娘の腕を掴んで階段を駆け降りる。
「ちょっと、離してよッ・・・」
父親に腕を引っ張られ続ける娘は、一階の廊下を歩きながら そう言います。
しかし、父親は無言のまま娘の腕を引き続け、台所まで歩いて来ました。
そして、そのまま娘の掌に 謎の薬品を塗りたくる父親
「な、何するのよ!」
焦りながら そう大きな声を出す娘に 父親は、その娘の掌を見つめながら こう言い放ちました・・・
「お前!硝煙反応が出てるじゃないか!!」
実録!硝煙反応 !!
完