第二幕

日本橋の三越で、あんな陰惨な事件にまきこまれるとは、思いもしなかった。

おかげで、髪はバサバサ、上履きもドロドロである。しかし、相変わらずのところ、朱御は無表情で動じずもせず「私は大丈夫ですよ」と言わんばかりの顔立ちだった


わたしの職業は、現代でいうところの傀儡師である。人形をうごかす人なんだ、ぴょん太くんとか、ぴょん太くんとか、ぴょん太くんとか


そんな折り、わんわん長老を繰るものと掴みあいの大立ち回りをしたあげく、ガラス製の灰皿で、無関係のもの数名を含め、数回殴打した為、あえなく職を追われたわけだが

昨日の敵は今日の友、今もこうして訴訟問題とは無縁の所で生活をできている。



くまちゃん急便のトラックが目の前をよこぎった気がした。


そらにはUFOがひかった気がした、U・F・O。なんて、ハイカラな言葉なんだ、UFO・・・、うまい、ふとい、おいしい。キャベツ増量。


目の前で縄跳びをしていた女性に「あんた耳でかいね」と言ってしまった。

女性は女性で、わたしの瞳を見据えながら「まねっこピーナツ」と、つぶやいたので、気味が悪くなって帰ってきてしまった。


家に、帰っても妻はいない。齢の身で既婚ではないのでいないのだ。ガイコン。


許婚もない。当然といえば当然で在る。


しかし、何故、そんなことを強調したのか、聡明な読者の皆さんはお気づきになっただろう、我々が美術館の停電に気をとられていた隙に、怪人白面相は暁の名画を盗みだしていたのだった!!なんと、館長は、もともと白面相の手下なのだった。そして、そもそも、この美術館は白面相の美術館だったのだ!!

己の美術館に犯行予告を送り、見事に己の絵画を盗みだしたのだった。美術品に盗難保険はかけられていない。そんなとき、私は白面相には目もくれず、受付の女性にひとめぼれしていた。

これが、妻がいないことをあえて強調した真相であり、後に、受付の女性が既婚だということを知ったわたしは、彼女の旦那の会社宛てに2tもの生ゴミを送りつけ、その恋心を鎮めた。


第三幕へとつづく