うに田一少年の事件簿
ファイル1「悪魔城ホテル殺人事件」
[第2回]
PM8:54
悪魔城ホテル 食堂室
うに田一君「わ〜い、ごはんうに♪」
うにうにとあいみちゃんは二人並んで食堂室の入り口をくぐる。
小森「お待ちしておりました。他の宿泊客の皆様も 既にお集まりになっております。さあ、お二人も お好きな席にお着きください。」
支配人の小森が 二人を丁重に出迎える。
あいみちゃん「はい。」
うに田一君「わかったうに♪」
その食堂室の奥の壁には巨大な絵画が飾られていて、中央には 白いテーブルクロスに覆われた縦長のテーブルがある。
そして、そのテーブルの上には、3本のロウソクが立つ 黄金色の燭台が並んでいる。
あいみちゃん「わ〜、それにしても あの絵、大きな絵ですね〜。有名な画家さんかなにかの作品なんですか?。」
あいみちゃんが部屋の奥に飾られた巨大な絵画を見つめながら、支配人の小森に そう訪ねた。
小森「ええ、あの絵画はですね、19世紀のイタリアの画家コリアーネ・ゴーストの代表作『吸血鬼』です。」
あいみちゃん「そうなんですか〜、19世紀の画家さんの作品なんですか〜・・・ちなみに、この絵って・・・おいくらぐらいするモノなんですか?」
小森「そうですね・・・・大体、8万円・・・・」
あいみちゃん「あれ?・・・・意外と安いんですね・・・(汗)」
値段を聞いて、なんとなく 半笑い気味のあいみちゃん。
小森「それでは皆様、私は今から食前酒のワインを御用意いたしますので、その間 何か御用事があれば、ボーイの大神にお申しつけくださいませ。」
そう言いながら小森は、隣に立つボーイ姿の青年を紹介する。
大神「・・・・・・」
無言のまま一礼をする青年。
ホテル従業員:大神 明日真(おおがみ あすま)21才。ボーイ。
小森「それでは、失礼いたします。」
そう言い残し、小森は食堂室を後にした。
つづく