さー さー やって参ったよ!我らがアイドル!戦国時代のアグネス・チャン!霧崎忍だよー!
「この、ちんどん屋がぁ!邪魔じゃぁ!!」
ブシュー!!!
とまあ、我らが霧崎嬢、宣伝をしてくれていたチンドン屋さんを一刀両断。
「こんばんわー☆ みなさまのアイドル霧崎忍が、この血生臭い町やってきましたよー。着物が血だらけになっちゃったよ!」
霧崎嬢は、そう可愛げに言うんだが、目の前には先ほどのチンドン屋さんが首筋からブクブクと泡を立てながら血液を流し続けるもんだから、お客さんたちも、いまいち、こう乗り切れてない感じなんだねぇ。
「仕方ないなぁー これからー 臨時サイン会をしたいと思いますー!お前ら背中だせ!刀で私の名前を刻んでやる!!」
何故!霧崎嬢が、こんなことを言ったのには訳が在る!霧先嬢は、観客の中に紛れ混んでいる敵方の忍者を炙り出そうという作戦なんだねぇ!
そのときである!観客の中から飛び出した黒装束の男と、忍の刃がカッキーンなどという音を上げて交差した!!
「あんたは!さすけちゃん!たぶん、その双子の兄!」
「ふっふっふっ・・・ さすがだなぁ、霧崎忍・・・どうして解ったぁ!!」
「弟のさすけちゃんは、口元に ほくろが無い!あんたは在る!」
我らが忍嬢の着眼点の鋭さには、流石の佐助も息を呑むしかなかった!!
後のインタビュー記事
佐助『いやぁ、まさかねぇ、口元のほくろに気付いてるとはねぇ。あれ、親だけが気付いてると思ってましたわ。』
つづく