慶長忍者大戦(第3話)

ここは、駿河の駿府城。我らが忍嬢は、自室に閉じこもり、嫌いな人の名前を書いた短冊をハサミでジョキジョキと切り刻んでいるときのことでした。

「忍、元気?」

「あ!服部先生!どうしたんですか?相変わらず学生服が似合ってますね。」


「違うよ!これは学生服じゃねいよ!忍者服だよ!それと服部先生って呼ぶなよ!私は、忍と歳が一つしかかわらない、ポニーテールの純情乙女組なんだから!!」


「仕方ないですなぁ。じゃあ服部先生と呼ぶのは辞めますから、このセーラー服に着替えてください。」

「まったくぅ・・・仕方ないなぁ・・・」

こうして、服部半蔵は後々まで、セーラー服を着て任務を遂行するという、稀代の忍者となったのですな。

史実の裏には、この様な運命的偶然が いつの世も付き纏うものなので御座います。

逆説的に言えば、服部料理専門学校の校長が、今も学生服の様な服を着ているのは、この名残だと言われています。


「そんなことより、きいたか!忍!風魔小太郎が、フウマコタロウに改名したらしいぞ!」


「なんだってぇー!タケカワユキヒデスタイルじゃないですか!俗にいうガンダーラスタイル!!ニューエイジ・ガンダーラスタイルッ!!」

この史実の一文より、タケカワユキヒデは慶長4年から生存していたということが汲み取れます。


「なんでも、今話題の占い師に言われて改名したらしい!」

「菜種油で髪を撫で付けているという、あの占い師ですか!!生放送だとボロが出ただけだったよ!」



「しかし、北条家が滅びてから、小太郎嬢は盗賊に成り下がったと聞きますが・・・今どこで何をしているのでしょう・・・」

「ううむ、私が聞いた話ではな・・・おむすび屋さんでアルバイトをしているらしい。」

「なんですって!どこのおむすび屋さんなのですか!」


「"おにぎりO東順のおむすび屋"さんという全国展開を繰り広げている店らしいぞ!」


「それで、小太郎嬢は"おにぎりO東順のおむすび屋さん"何支店でアルバイトをしているというのですか!?」


「それは・・・」




つづく