慶長忍者大戦(第4話)

「ということで、おにぎりO東順のおむすび屋さんメキシコ支店までやってきた訳ですが、もう、いきなりメキシコとは、遠出しすぎだよ!ペリー来週またきて明後日だよ!」


我らが霧崎忍嬢と、その上司・服部半蔵嬢は、そんな訳で御座いまして。おむすび屋さんでアルバイトをしているという風魔小太郎嬢を探し求め、なんと日本人初のメキシコに来た人と成ったのでございました。べべんべんッ。


「まあまあ、そう息を荒げるな忍。みてごらん、あのメキシコおじさんのソンブレロ。風流だろう。」


「いや、しかしですね、半蔵さん、なんでメキシコまでおむすびを食いに来なにゃらんのですか!おむすびぐらい自分で握ればいいだろう!!」



「お前ら!なんだ、店の前で!営業妨害か!!このエル・マリアッチが!!」


「あ、貴女は!!」

そう!忍嬢たちが、"おにぎりO東順のおむすび屋メキシコ支店"の前で立ち話をしている中、その目の前に現れたのは、おむすび屋さんの制服に身を包んだ、かの有名な忍者・風魔小太郎!その人だったのです!!



「そう!私は、フウマコタロウ・・・可憐なる18歳の乙女。今後、私のことはマコりんと呼べ!!」


「マコりーん!!」


「はーい☆」


この直後、沈黙が約180秒間続いたと、史実には残されております!べべんべんッ!!


「てか、半蔵さんはセーラー服なんか着てるし、小太郎さんもおむすび屋の制服だし。もう二人とも、全然、忍者じゃないな!!」

「なんだとぅー、このおにぎり屋さんの制服はなぁー 日本の支店のと違って、メキシコ仕様なんだぞ!だから、ほら、サンバイザーもオレンジだし・・・」



「そんなことより、小太郎。何故いつの間にやら、この様な異国の地で働いているのだ?」


「よく聞いてくれた、半蔵。実はだな、私はメキシコが大好きだったのだ。だから。」



「あ、半蔵さん、ちょっと観光してきて良いですか?」

「いいよ。」


「待て!メキシコまで私を追いかけてきておいて、何故そんなに興味が薄い!」


「えー だってー・・・」



「待て!わかった、ここで私からの衝撃的な、歴史をひっくり返す様な事実を告げよう・・・」


「なんですと!それはまさか、私と半蔵さんが密かに追いかけている、"明智光秀は生きている説"に関係することか!」

「忍!口がすぎるぞ!そのことは内緒だ!」

なんと!ここで忍嬢の口からうっかりとんでもない言葉が!しかし、今回はおむすびの方が大事なので、小太郎嬢の告白へと話を戻しましょう。



「えー・・・、皆さん。私、フウマコタロウは・・・子供が出来たら、ミル・マスカラスと名付けたいと思っています!!」


ドーン!!


歴史を揺るがす衝撃の告白!あの!千の顔を持つ男"ミル・マスカラス"は、風魔小太郎の血筋を引いていたのだ!!だから、空中殺法とか上手かったのだ!!

それどころか、メキシコのルチャ・リブレの元祖は、日本の忍術だったとは!これはメキシコマット界も震撼する驚愕の事実ですよ!公費で新幹線にも乗れますよ!


「子供が出来たらミル・マスカラスと名付けるって・・・、あれは本名なのか?」


「ていっ、気付くな!」

シュンッ!


「うわっ!」


突如、半蔵に向けて おむすびを投げつける小太郎!!


「ふはは!おにぎり手裏剣だー!死ねぇー!」


そう言って、立て続けにおむすびを投げつづける小太郎!忍と半蔵、あわや絶対絶命の大ピンチ!!


しかし、そのとき!3人の目の前に一人の男が姿を現します!べべんべんッ!!



「こら!マコりん!店の商品を投げるんじゃない!!」


「あ!店長ごめんなさい!!」