#176.決着
機動聖戦士メガロイドガイザードZX 第176話
監督:雪村京子
脚本 リュウ
絵コンテ 小沢恵里子


>> 機動聖戦士メガロイドガイザードZX

>> 第176話「決着」



僕とダグラマード将軍が地底にいってる一方その頃、三鷹では!

偽阿波根「ぐははは!吾輩はな!地底支配計画の一環として、三鷹商店街を粉々にしてやるんだ!このデモンガイザードでな!!」


ZXKiller[Right]偽典魔界転生 デモンガイザード 体長/不明 体重/不明
攻撃S 防御A はやさSS and+α 必殺技:デーモニックシンフォニーオーケストラ

なんと!偽阿波根の繰る、禍々しき漆黒の機体・デモンガイザードが、無数のマグマ兵を率い、商店街へとそのこわい姿を現したのだった!

ちなみに、この場合は「こわい」というのは、北海道弁で「疲れる」という意味では無く、純粋に「怖い」という意味だったのだった!恐怖新聞的な意味だったのだ!


偽阿波根「ぐははは!商店街を粉々にしたらな、ミサをやるんだ!ライブハウスでな!大聖典はな、アルバムという意味なんだ!やれ!信者(マグマ兵)たち!」


ズバッ!!ドカーンッ!


偽阿波根の命を受け、商店街を粉々にしようとしたマグマ兵たちが、とつぜん、まだ粉々にできてないのに、つぎつぎと爆発しちゃって、周囲一面が黒煙で包まれだした!


偽阿波根「なんだ!どうしてだ!マグマ兵が爆発してしまってる!どうしてだ!ライデン少佐ぁ!」


黒煙の中、突如、一刃の光が偽阿波根の搭乗するデモンガイザード目掛け降り注がれる!


ガキンッ!


片手をふりあげて、その一撃をガードするデモンガイザード。その眼前には、シャドゥ☆ソルジャーこと、妹が乗る、謎のロボ・サウザンラーがいた!


妹「そこまでよ!偽の兄!」

偽阿波根「なに!キサマは私の妹なのか!まさか、吾輩に隠し妹がいたとは!仕方ない。吾輩は、釈明会見にもメイクをして出るぞ!」


妹「メイクってなんだ!元々そういう肌のはずだろ!」


妹は、いかりをあらわにしてデモンガイザードへの第2撃を、もう一方の腕から放つ!


ガキンッ!


しかし、デモンガイザードも、それにもすばやく反応し、ギリギリのところでサウザンラーの斬撃を受け止め、その体勢から上体を大きく反らし、そして、腰元のブーストから紫炎を噴出させる!

 

妹「!!」

妹が危険を察知した瞬間、既にデモンガイザードは、至近距離からのサマーソルトキックを放ち終えていた!


バズゥィンッ!!


妹「キャァッ!!!」


弧を描く強烈な蹴撃をまともにくらい、鮮やかな火花を上げながら、後方へと大きく吹き飛ばされるサウザンラー!


偽阿波根「ぐははは!お前も、仏蘭西ベッドにしてやろうか!!?」


デモンガイザードは、尚、紫炎を撒き散らしながら、吹き飛ばされたサウザンラーの機体を追尾し、右腕からの鋭い突きを放つ!


しかし、サウンザンラーは、吹き飛ばされたままの体勢から身体をくるりと回転させ、腰元ぎりぎりでデモンガイザードの突きをかわす。そして、そのままデモンガイザードの後頭部目掛け、後ろ回し蹴りを放った!


ガスッ!!

偽阿波根「ごふっ!」

続けざまに放たれたサウンザンラーからの突きを片手でいなし、デモンガイザードは後方へと退きながら、機体同士の間合いを一定に保った


妹「ハァハァハァ・・・」

コックピットからデモンガイザードを睨みつける妹の額からは、一筋の鮮血が流れていた

 

偽阿波根「ぐはは・・・なかなかしぶといな。吾輩の10万41年の人生の中で、ここまでしぶとかったやつ、仏蘭西ベッドにできなかったやつはいないぞ!何故そんなにしぶとすぎるんだ!きさまは!」


妹「ハァハァ・・・わたしがしぶとい理由は一つ・・・わたしが、はじめておかあさんに会ったときに、言われた二つの言葉・・・。」

ジョナサン女王(回想)「私は、地底の女王として地上を支配しようとしている・・・。しかし、それとは別に、地球に住まう一人の人間として息子を殺さなくてはならない。」


妹「わたしは、最初その言葉の意味がわからなかった・・・しかし、おかあさんが言うには、おかあさんは予知能力とかがある超すごい人で・・・

息子である阿波根が地球を滅亡させる予知と、私がその兄を殺して、滅亡を食い止める予知、この二つの異なる予知をみたりみなかったりすると・・・宝くじに当たる夢をみたりみなかったりすると・・・そして、あなたのオーラのいろは、ぐんじょう色で前世は野武士です。ともいわれたわ・・・

そう言われたわたしは、地球のためとはいえ、おにいさんを殺すなんて嫌だとおもったけど、前世野武士かよとも思ったけど、思春期だったのも手伝ってシャドゥ☆ソルジャーとして兄を殺すことを決意した・・・

でも、私は今気付いた。おかあさんの見た予知で、私が殺していたのは、おそらく”偽の兄”。いわゆる、そっくりさんであるところのアナタ。黄色いマフラーのアナタ。

母が視た2つの予知。その答は、私がアナタを倒さない限り、この地球は必ず滅亡する。だから私にできることは只一つ、この命に代えてもアナタを倒す。」

 

偽阿波根「ぐはは!それがどうした!吾輩はな、ファミコンでゲーム化されたこともあるんだ!」

偽阿波根は、妹のことばをほとんど聞き流していたかのように そう言い放つと、機体同士の間合いを一気に詰める!

その速度に反応すら出来ぬまま、サウンザンラーは右腕と頭部をデモンガイザードに掴まれ、そのまま勢い任せに右腕を引きちぎられる!


妹「くっ!!」

瞳をより狂的なものへとかえた偽阿波根は、引き抜いたサウンザンラーの右腕を、サウザンラー自らの頭部目掛け、渾身の力を込めて振り下ろす


ドガッ!


全身に伝う強烈な一撃を受けたサウンザンラーは、そのまま後方へと勢いよく吹き飛ばされる!


ドガシャーンッ!!


商店街の一角へと激突し、大量の砂煙に包まれるサウザンラー。

 

デモンガイザードは無言のまま、地上のサウザンラー目掛け もぎ取った片腕を投げつける。


回転しながら飛翔する腕は、瓦礫を背に寄りかかるサウザンラーの脚部へと激しく突き刺さり、その身体を地面へと固着した。


それを確認し、静かにその傍らへと降り立つデモンガイザード


偽阿波根「ぐはははは!偽の妹よ!貴様は吾輩を殺せなかった!これで、貴様の言う滅亡の予知は確定だなぁ!仏蘭西ベッドも確定だなぁ!!コイルマットレス!」



バスッ



偽阿波根が激しく叫び、デモンガイザードがサウザンラーへのとどめを刺そうとした、まさにその瞬間。空間を切り裂き進む一つの小さな鉄塊が、その巨影を静かに貫いた。


自分の身体に異物感を感じ、偽の阿波根は見開いた視線を下へと移す・・・

胸には、鮮血に染まった銃痕が一つ。その痕跡は、やがて熱を持ち、それとは逆に全身が凍てつくような感覚に襲われる。

 

突如、その動きをピタリと止めたデモンガイザード。状況を理解せずとも、サウザンラーはその一瞬の隙を見逃さず、最後の力を振り絞り、残された片腕に全体重を掛け、自らの脚部を引きちぎりながら、デモンガイザード目掛け渾身の一撃を放つ!!


妹「っりゃぁぁああああ!!!!!」

 

ズシュッ!!!!

 

己の胴体を巨大なサウザンラーの腕に貫かれ、数秒の沈黙の後、頭部の網膜センサーより光を失ったデモンガイザードは、サウンザンラーに寄りかかる様にしてガクンッとその場に崩れ落ちた。


偽阿波根「ば、ばかな!・・・あ、あの、わ、吾輩わぁぁぁあああ、ほんとわ27才なんだぁぁぁぁああ!!お寿司屋さんでバイトをしている身の上なんだぁぁぁあーーーーー!!!!!!」


ズッブッゥァアァーーーーーンッ!!

 

偽阿波根の断末魔と共に、デモンガイザードは紫色の爆炎を上げながら空中へと四散した。サウザンラーを呑み込みながら。


------------------------------------------------------

 

>> デモンガイザードが散った商店街より数キロメートル離れた、とあるビルの屋上


殺し屋サトシ「よし!依頼どおり阿波根をころせたぜ!!」


人ちがい!(にてたから)




つづく


<<戻る