#177.制圧!首都原発!
機動聖戦士メガロイドガイザードZX 第177話
監督:雪村京子
脚本 リュウ
絵コンテ 工藤あさり


首都原発

首都原発とは、新宿新都庁旧建設予定地に立てられた原子力発電所のことです。

都内には、第壱号基〜第六号基までの計6基の原発が点在し(そのうち壱号基〜参号基までの3基のみが常時運転中)地下に張り巡らされた電子制御の巨大ケーブルにより都内一帯の電力すべてがまかなわれています。

ちなみに、都内に原発が建設された経緯は、地方原子力発電所での度重なるグランドデスバルド帝国による襲撃事件への懸念が主な原因で、都内ならZXがすごく近いから安全!ということでそうなりました。あと都民の電気代はタダです!!

 

署長「で?その首都原発がどうしたのかね?」

日本警察署長は、日本警察の署長室で署員の人にそう尋ね返したのだった


署員「はい、それがですね。悪いロボが首都原壱号基の上に乗っちゃって、のっとられてしまった模様です。」

署長「なに!首都原発がのっとられてしまったのか!それは大変じゃないか!」


署員「大変なんです!で、ですね、壱号基のメインコンピューターをつかって都内地下に張り巡らされた電力供給ケーブルを暴走させちゃって、地面からケーブルがでまくりなんです!いかの足ぐらい暴れてます!」

署員の人がいうように、東京の地面からは、たくさんのでっかいケーブルが飛びだして、街家とかをなぎたおして、電気もばらまいて大変だったのだった!もう、みんなしびれちゃっていた人もいた!


>>機動聖戦士メガロイドガイザードZX

>> 第177話 「制圧!首都原発!」


二階堂天使「ふっふっふっふっ、都内のみなさんこんにちわ!二階堂天使(本名)です!みてください!この戸籍謄本を!コピーを!ほんとに本名でしょ!こんどギネスにも正式申請する予定なんですよ!」

首都原発上空に映し出された二階堂天使の大型ビジョン、これも首都原発をのとったからできることだった!


二階堂天使「この新宿首都原発は私が制圧しました。もう上に、わたしのミカリン・ザ・ラグナロクがのっちゃいて、もうネットワークを介して、都内6基の原発はすべて制圧済みです!」

ZXKiller[Left]天上天下不倶戴天 ミカリン・ザ・ラグナロク 体長200メートル 体重200トン
攻撃SS 防御SS はやさF and+α 必殺技:浄罪ノ閃

首都原発壱号基の上には、白い危なそうなロボ、ミカリン・ザ・ラグナロクがのっていたのだった!そして既に、原発のまわりを黒い巨大ケーブルがびゅんびゅんいわしていて、大変きけんそうだった!


二階堂天使「皆さんご承知の通り、既に日本へは最終暗黒魔界ロボ・ブラックサンが接近中です。そして、ZXを出動させないために、東京の電力はすべて私が支配しました!もうあきらめてください!あと見せしめで、巨大ケーブルを暴れさせて都内をめちゃくちゃに破壊します!」


二階堂天使はそういいながら、また巨大ケーブルをぐるんぐるんいわして、東京の街やなんかを次々と破壊したのだった!ケーブルの先から電気もだしたのだった!

 

署長「おい!もう東京中めちゃめちゃじゃないか!あそこでもケーブルがあばれてるし!あっちでもケーブルが暴れてる!そうだ!西園寺ハヤトを呼べ!特殊部隊の隊長だから呼ぶんだ!」


西園寺ハヤト「それには及びません署長!わたしはもう来ていますよ!」


署長「さ、西園寺くん!いつのまに!」

西園寺ハヤト「実は、さっきの署員は、ボクの変装だったんです!」


そう真実を明かす西園寺ハヤトの右手には、ゴム製の顔にはるマスクがにぎられていた!既にはがされていた後だった!


署長「全然きづかなかったよ!じゃあ、はやく特殊部隊を出動させるんだ!首都原発の悪者をこらしめてくれ!」


西園寺ハヤト「わかりました!日本警察特殊包囲部隊【十二支】出動します!!」


そういって西園寺ハヤトは署長室を飛び出していたのだった!

 

署長「死ぬんじゃないぞ西園寺くん・・・今まで隠していたが、君のお父さんと私とは、いとこだったんだ。あと、実は君のお父さんは陰謀に巻き込まれてしんだんだ・・・。」

西園寺ハヤトの背中を見送った署長を、そうポツりと独り言をもらしたのだった。

 


ユキ「ハヤト隊長!都内は、悪の手で大変なことになっています!」

特殊部隊の部室で、既に戦闘服に身を包んだユキが、部屋に帰ってきた西園寺ハヤトに向かってそういった


西園寺ハヤト「わかっている!やはり首都原発が制圧されたらしい!お前は隊員たちと共に、サクラフブキ壱号機から十弐号機を駆り、巨大ケーブルうごめく首都原発の入り口まで俺たちを先導してくれ!」


ユキ「わかりましたであります!」

 

ガクーングングンッ!ブシュー!という音をならして、日本警察の地下の倉庫から日本警察ロボのサクラフブキが続々と地上へと出発する!


ユキ「・・・・・」

連なり都内を進むサクラフブキのコックピットの中、ユキは無言で前方を睨みつけていた。


「これが、たぶん最期の出動。この為の命?」


その後ろから、西園寺ハヤトと特殊部隊の他の人たちがのる車がついていったのだった!

ユキ「そろそろ、重点地域突入よ!四号機から六号機までは、右警戒!七号機から九号機は左!十・十壱・十弐は後ろ!!ほら!ケーブルきた!!」


特殊部隊のロボは、ホバー移動しながら各配置場所へと流れるようにいどうし、ガチャンッと でかいアサルトの安全装置をはずしながら、一斉に巨大ケーブルへの射撃を開始した!


バリバリバリバリ!!


射撃の衝撃にひるみながらも、巨大ケーブルはぶんぶんと振りまわり、道路やビルを破壊しまくる!!


それを縄跳びのようにビュンっと次々に飛び越えるサクラフブキ隊。そして今度は、そのケーブルが西園寺ハヤトたちの乗る車の上部スレスレをぬけていく!


西園寺ハヤト「あぶない!いまのはあぶない!」

隊員A「いまのはあぶないです!かなりびびりましたね!」

隊員B「いまのはオレもヒヤッとした!」

隊員C「オレもヒヤッとしました!」

隊員D「おれはゾクッとしました!」


くるまの中は、そんなわだいでもちきりだった!

 

迫りくる無数の巨大ケーブルを銃で破壊し、ドライバーの巧みな運転で避けながら、ついに特殊部隊は首都原発正面まで到着した!

それを見下ろすように、白い巨大な悪いロボが首都原発の上部にはそびえたっている。

 

ユキ「よし!全部隊前面集中!突破ぁぁぁぁッ!!!」

束になって突進してくる巨大ケーブルを全機一斉射撃し、尚且つ、数機の機体でそれを直接掴み、軌道を無理やりそらす!

その機体たちを尻目に一行はさらに原発を目指す!そして、次々と突進してくる別のケーブル束を、また別の数機がそらす!


ユキ「こちら残り4機!あっちは、あのでかいのが、たぶん最後の1本!いける!!」


次の瞬間、ひときわ巨大なケーブル束がデタラメな放電を繰り返しながら、巨龍の如く、一行へと迫る!!


グァガキンッ!!



サクラフブキ4機同時で、そのケーブル束を押さえ込もうとするが、巨大ケーブルは勢いをゆるめるだけで、その蠢きを止めない!


ケーブルの真下、機体と機体の間をすりぬけ、西園寺たちの車両はさらに首都原発を目指す!


しかし、ケーブルは4機のサクラフブキを押し返しながらUターンをおこない、後方から西園寺たちの車両目掛け突進する!!


ユキ「くっ!こうなったらっ!!」

そう叫ぶと、ユキの機体は後方へとブースト移動を行い、巨大ケーブルから距離をとる

 

ユキ「弐、参、四!一斉退避!!」


機体のコブシにエネルギーを充填させるユキがそう叫ぶと、ケーブルを抑えていたサクラフブキが一斉にケーブルから離れる

 

ユキ「くらえぇぇぇええ!!正義のテッツイィィィッッッッ!!!!」


絶叫と共に、機体全身を発光させたサクラフブキは、片腕突き出しながら、巨大ケーブルの先端へと突進する!


バチバチバチバチバチッ!!ズブゥァァァァァァンンン!!!!!

 

輝く桜吹雪を撒き散らしながら、ケーブルと共にユキの機体は炸裂した。



西園寺ハヤト「ユキーーーーー!!!」


後方での爆音を聴いて、助手席より身を乗り出した西園寺ハヤトがそう叫ぶ、その声を残し、車両は運転席側面から横滑りしたまま首都原発の正面玄関を突き破り、建物内部への突入を果たした。

 


西園寺ハヤト「・・・突入成功。これより、首都原発制圧首謀者・二階堂天使の拘束に向かう。全員、首都原最上部を目指すぞ!」

既にその役目を終え、走行不能となった部隊車両を尻目に、西園寺ハヤトがそう告げると、隊員たちは一斉に原発上部を目指して歩みを進めた!

 

>> ミカリン・ザ・ラグナロク最上部 天使の間


二階堂天使「ふっふっふっ、ついにきましたか。だが、簡単に私まで到達できるとは思わないでくださいね。・・・この十二の刺客、あなたたちに倒せますかね?」


モニターに映る西園寺ハヤトと特殊部隊を見下ろしながら、二階堂天使はそうつぶやいた。そして、その後方には、不気味な十二の影が・・・

 


西園寺ハヤト「ここが、首都原発の最上部!なんだ!あの巨大な白い門は!」

首都原最上階へと到着した西園寺ハヤト一行の前には、白いゴシック調のロリータ調の門がたっていた!


そのとき突然、どこかから声が!スピーカーから!

二階堂天使「よく来ましたね、諸君。ここから先は、ミカリン・ザ・ラグナロク内部に仕切られた十三の階層を進んで貰います。各部屋には、階層の番人が居て、その刺客を退けない限り、上部へは進めませんよ。さあ!私に逢いたければ、その刺客をすべて倒してみなさい!」


高らかと、そう宣言する二階堂天使の声を後に、西園寺ハヤト一行は無言で白い扉を開け、奥へと進んだ。

 

>> ミカリン・ザ・ラグナロク 第1階層 暴食の間


使途タベリン「ぐはははは!わたしは使途タベリン!この階層を通りたくば、私と料理対決をして勝つのだ!私に勝つことができれば、この、次の階層へのカギをくれてやろう!」


バンッ


使途タベリン「ギャァァァ!」


巨大なキッチン状の階層で、タベリンがそう宣言した直後。懐から拳銃をとりだし西園寺ハヤトは、タベリンの片足めがけ、無言のまま引き金をひいた。


コックさんの姿をして、伯爵のようなひげをたくわえたタベリンは、片足をおさえ絶叫しながらカギを地面へと落とす。


それを無言のまま拾い、「いくぞ」とだけ言い、西園寺ハヤトは次の階層をめざそうとする

 

二階堂天使「待て!なんで撃つんだ!料理対決の部屋だろう!そこは!!」

また、どこかのスピーカーからきこえた二階堂天使の声が、西園寺ハヤト一行を引き止める

 

西園寺ハヤト「我々は警察だ!警察にそういうのは通じない!」


西園寺ハヤトは、大きな声でそういい残すと、第1階層を後にした。

 

>> ミカリン・ザ・ラグナロク 第2階層 嫉妬の間


使途ジェラリン「ようこそ!嫉妬の間へ!ここのカギを手にするには・・・」


西園寺ハヤト「撃て」


ババババババッ!!


ジェラリンが何か口上を述べようとしていた途中、西園寺ハヤトがそうつぶやくと、隊員1名がジェラリンの足元をアサルトライフルで掃射した。


突然の事態に驚愕をし、しりもちをついてカギをとりおとすジェラリン。西園寺ハヤトは、また無言でそれを拾い上げると次の階層へと進もうとする。


二階堂天使「だから!撃つなよ!あるんだよ!階層別で種目が!考えたんだよ!数週間かかっ・・・」


バンッ


スピーカーの位置を把握した西園寺ハヤトは、無言でそれを撃ち抜いた。

 

このようにして、第3階層、4階層と、現われる刺客たちを次々と撃ち続けていたら、6階辺りからは、既に刺客は階層の隅へと身を潜め、カギは部屋の中央にポツンと置かれていたりするようになった。「がんばってください。応援しています。」と言うものまで現れた。



>> ミカリン・ザ・ラグナロク 最上部(第十三階層)天使の間


二階堂天使「・・・・・・」

西園寺ハヤト「・・・・・・」


華麗な純白の装飾に包まれたその部屋で、二階堂天使と西園寺ハヤト一行は無言でにらみあっていた。

次の瞬間、両者が懐に手をいれ、ほぼ同時に正面へとそれを抜き出す。

しかし、西園寺ハヤトの指は、引き金に手をかけたままピタリとその動きを止める。


二階堂天使「みなさい!これが私の戸籍謄本です!本名なんですよ!天使というのは!これでも私を倒すというのですか!本名なのに!」

二階堂天使は、懐からだした戸籍謄本のコピーをつきつけ、たからかとそう宣言した。


西園寺ハヤト「いつまで言っているんだ。そのギャグがうけているのをみたことがないぞ。」

両手で銃を構えたまま、冷静にそう告げる西園寺ハヤト


二階堂天使「こ、これはギャグじゃありませんよ!本名ですから!大豆ですから!でも、しかたありませんね。私とアナタ、1対1のフェンシング対決で決着をつけましょう!」


西園寺ハヤト「拘束」

二階堂天使の言葉を聞き流し、西園寺ハヤトがそう告げると、隊員たちが一斉に二階堂天使を拘束した。


二階堂天使「は、放せ!私は天使だぞ!むかしは真っ赤なフェラーリだって所有していたんだ!」


西園寺ハヤト「・・・ん、ちょっとまって」

西園寺ハヤトは、そう言いながら二階堂天使が床に落とした戸籍謄本のコピーを拾い上げる。



西園寺ハヤト「こ、これは・・・ 二階堂天使の天の字に、手書きで棒が一本書き加えてられているじゃないか!お、おまえの実の本名は二階堂大使だったのか!?」

そう告げられた二階堂大使の表情は、そうとう気まずい感じでした。

 


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目の前には、青空。


いつかみた時と同じ風景。


でも、最悪でもないし。最低でもない。


崩れかけたサクラフブキのコックピットの中。


遠くから自分の名前を呼ぶ声が聴こえた気がした。


全身に感じる痛みを心地よく感じながら、片手を大きくあげ



ユキ「大丈夫でぇぇーーーーーーーーす!!!」

 

眼前、崩れ落ちる瓦礫の山。


つづく


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